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2010年1月18日 (月)

乳癌の標準治療とは

今日は少々マジメな話題catface

先日記事でお知らせした「もっと知ってほしい 乳がんのこと」(http://www2.extide.mediasite.co.jp/mslive/Catalog/pages/catalog.aspx?cid=f1ada538-39b6-40fd-85a2-4aed21537a53)のビデオをすべて見ました。

乳腺外科、放射線科、形成外科、化学療法科の先生方からの最新のお話が満載で、こういう話が聞きたかったのよ!!という感じでした。乳癌体験者の読売新聞社記者、本田麻由美さんも参加されていることから、患者側からの意見も反映されており、とても画期的なセミナーだと思いました。

このセミナーで得た情報を少し紹介してみたいと思います。

<再建手術について>

~形成外科の医師の立場から~

温存手術もしくは全摘手術+放射線治療を行った患者さんでも、皮膚の状態によっては時間をかけて再建することが可能。(放射線後、インプラントで再建している例もあり)

温存手術の同時再建を行っている病院もあり。

体の負担が軽く、あとからやり直しがきく、という点ではインプラントがおススメ。ただし、費用は高い。

自家組織を使う場合、妊娠を希望している人はお腹の脂肪を使った再建は避けた方がよい。

~放射線科医の立場から~

同時再建後に放射線をかけるやり方は、エビデンスがないため、有効な治療法だとはまだ言えない。

放射線をかけてしまうと再建ができないと思われるが、形成外科医がやりにくいと言うのであって、絶対にできないわけではない。再発率を下げるためにも、きちんと放射線治療を受けて欲しい。

よく手術後の放射線で乳房の形が変形したと言われるが、放射線のせいではなく、手術の時点ですでに変形しているもの。放射線で形が変わるということはない。

~乳腺外科医の立場から~

外科医はがんを退治することを第一に考えるので、しっかりがんを切り取りたいと考える。

*本田麻由美さんを例に挙げると、

2.5センチだった癌が2週間で4センチに→温存手術→1ヵ月半後に局所再発→全摘手術→周りの脂肪部分から局所再発して再手術→放射線治療→インプラントで再建

という経過をたどっています。最初の手術からすでに7年。サバイバーですね!!

<病理について>

他の癌の様に明らかに「癌だ」とわからないため、乳癌の病理は非常に難しい。

乳癌を予防するためにできることは、肥満にならないことくらい。女性が女性である限りは乳癌になる可能性がある。(←なんだかこの言葉に救われましたconfident

<外科治療について>

根治のためには大きくしっかり取るのがベター。

1/4切除になると整容性が保てないし、がんを取り残して局所再発する可能性も高くなることから、全摘を勧める場合もある。(特に若年性は局所再発率が高い)←私のことですかい?

内視鏡手術やラジオ波熱凝固療法など、大きな傷を作らない手術は乳癌の場合とても難しい。がんを取り残す可能性もあるため、標準治療とはまだ言えない。

米国と日本の乳癌罹患率は、50歳まではほぼ同じ(!)。40歳以下の乳癌患者は外的要因よりも遺伝的要因が強い可能性あり。

米国では乳房温存手術は3割程度。(ヨーロッパでは全摘して数年後に再建が主流だと聞いたこともあります)

<薬物療法>

新しい抗がん剤の登場により、ここ10年の間に乳癌の生存率が飛躍的に上昇

免疫療法や健康食品など、がんに効くといわれているものは米国のがん研究所ですでにスクリーニング済み。(○○はがんに効く!などという情報に惑わされないように!!)

Her2陽性乳癌に対する効果的な薬が続々と出てきている(ペルツズマブ、ネラチニブ)

トリプルネガティブ患者にパープ阻害剤が効くかも?

国立がんセンターでは治験を行っているので、転移・再発乳癌患者で受けたい人は受診を!(←薬が効かなくなったらこういう方法もあるのですねhappy01

<放射線治療について>

全摘の場合でも、リンパ節転移がある場合には放射線治療を推奨する(リンパ節転移1~3個でも有益だそうです)。大規模な臨床試験により、効果が実証済み。

入院による短期照射は通常の照射と効果に変わりはないが、病院側の都合であまり行われていない(病院が儲からないため)。患者にとっては費用の面でも短期照射のほうがよいと思われる。

私が聞いて印象に残った話は、ざっとこんな感じでした。内容を抜粋しているので、ちょっと違っているところがあったらすみませんm(_ _)m。興味のある方は、時間のあるときにご自身で見てみてくださいね。また、医師によって考え方はさまざまなので、こういう話を参考にして主治医と相談しながら、自分自身の治療方針を考えていくのが大切だと思います。

話にはでてきませんでしたが、やはりリンパ節転移がある場合は、二期再建が推奨されるようです。形成外科の先生は同時再建でもOKというスタンスのようですが、乳腺外科医はあまりおススメしない、という印象ですね。

乳癌学会が発行している「患者さんのための乳癌診療ガイドライン(2009)」や、聖路加の有名な先生も著書の中ではそのように記しています。「患者さんのための乳癌診療ガイドライン」は、治療の選択で迷ったときに教科書的なものとして使っていますよー。

最先端医療が最善の医療ではない」ともありますね。現在の標準治療は、臨床試験によって効果が確実にあると実証されているもの。あとは、乳房があることなのか、癌の治療なのか、QOLなのか、自分が何を重視するのかをよく考えて、治療を選択していかねばいけませんね。

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コメント

kottsuさん、こんばんは!

とてもわかりやすい解説です!!
ありがとうございます!!

若年性は局所再発率が高い・・・私も手術後にこのことを知りました。
えええーーー!!??そんなーーーshock
と思いました。
でも放射線をMAXであろう60グレイかけましたし、温存できたんだから、局所再発しなければいいのだsign03と思い直しました。

乳がんは場所が場所だけに、治療と美容の面が葛藤してしまいますよね。
もちろん命が最優先されるべきなのでしょうが。
もっと形成外科のドクターが増えて、乳腺外科医と連携しあって、治療が出来る施設がもっと増えてほしいなーと思います。

投稿: fuku | 2010年1月18日 (月) 21時35分

fukuさん、こんばんは!
温存しても放射線をかければ、局所再発率は全摘したときとほとんど変わらないくらいになるそうなので、大丈夫ですよsign01
2センチくらいのしこりであれば、部分切除でもがんを取りきれるはずですしhappy01
温存手術では、組織や脂肪を寄せ集めて形を整えるんですね。
ポコッとへこんでしまうのかと思ってましたー。

本当に、各専門分野の医師間の連携が重要ですよね。
そうすれば患者は色々な治療方法からベストなものを選ぶことができるのに~。
まだまだそういう医療機関は少ないんですねweep

投稿: Kottsu | 2010年1月18日 (月) 21時53分

うんうん。これ、とってもわかりやすいです。本田麻由美さんは、ワタシが乳がんになる前から新聞の連載を読んでいてとても気になってました。
一時期うつにもなられたようなので、元気そうで良かった良かった!

再建に関しては、この分野これからどんどん進化していくと思ってます。だって乳がん治療だって10年前とはかなり違うんだしね。
「美しく治す」が主流になってほしいもん。。

投稿: kumami | 2010年1月19日 (火) 00時18分

凄いですね~
ホント、しっかりとお勉強してますね
各、専門医の意見を聞けると言うのも
大事ですよね
乳がんって、長い戦いですからね
その間に、良い治療法が出るかもしれないし。
温存と全摘で再発は変わらないって言いますよね。
私は何故、術前に抗癌剤しなかったのだろうって、思います。
「大きかったからだよ」の一言で終わりそうで今さら先生に聞けないし
その場は納得してた気もするし・・・
全摘しても、見えない細胞が回っているのは
一緒ですしね。不安は消えませんよ~sweat01

投稿: バボ | 2010年1月19日 (火) 02時19分

こんにちわ

kottsuさんの解説はすごくわかりやすいです

この先生方の顔ぶれが凄すぎますよね

今日わたしは全摘して放射線を鎖骨に
かけるかの診察に行ってきます

投稿: みにー | 2010年1月19日 (火) 08時25分

kumamiさん、こんにちはヽ(´▽`)/

私も本田麻由美さんの記事は読売で読んでいた記憶があるのですが、その当時はまさか自分が乳がんになるなんて思ってもみなくて、内容をあまり覚えていないんですよね・・・。
読売の医療サイトで読めるみたいですが、有料ですしcoldsweats01

今後数年で確実に認可されるだろうと言われている薬もいくつかあるようで、どんどん長生きできる可能性が高くなっているのだな~と思いますhappy01

女性のために頑張ってくれる形成外科医がもっと出てきてくれるといいですねshine

投稿: Kottsu | 2010年1月19日 (火) 10時24分

バボさん、こんにちは♪

このセミナーの話を聞いていたら、セカンドオピニオンに行く必要ないかも?と思ってしまいました。
主治医以外に質問してみたいことが、ほとんどもれなく聞けたので・・・。
他の先生の話を聞いてみると、主治医の治療方針のよしあしも分かるので、いいですよね。
とりあえず、私の主治医の治療はよいのだろう、と納得できましたよdelicious

バボさんの病院は、同時再建できるいい先生がいるということでしたので、術前化学療法をやらずにすぐに手術になったのではないでしょうか?
やっぱり早く切った方がいいのかもしれないですし。
名医がそろっていれば、標準治療から一歩先に進んだ治療も可能なんだと思いますよ!!

投稿: Kottsu | 2010年1月19日 (火) 10時28分

みにーさん、こんにちはhappy01

今日先生とご相談されるのですね。
私も次回主治医に放射線をかける可能性がどのくらいあるか聞いてみようと思っています。
自分で調べた限りでは、可能性は高いかな~と思っているのですがcoldsweats01

全摘+放射線でも、根気よくやれば再建できるみたいですよ!
このセミナーに参加されている先生方も、あきらめずに相談に来てください、と言っていましたし(*^-^)

私は全摘してしばらくしたら慣れてしまいそうで、そんなに数年かけてやる根気があるかなぁ・・・と今から思ってしまっていますsweat01

投稿: Kottsu | 2010年1月19日 (火) 10時33分

初めまして
突然のお願いで大変申し訳ございません。
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もし、良ければ当SNSに貴ブログを御登録頂けないでしょうか。
何卒御検討の程宜しくお願い致します。
病気SNS illness

投稿: illness | 2010年1月19日 (火) 14時39分

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